• 仮想デスクトップと新しいコミュニケーションツールSkypeとの関係②

    2016.06.06

    M³DaaS

    仮想デスクトップと新しいコミュニケーションツールSkypeとの関係②

    前回のコラムに引き続き、DaaS/VDI上でSkype for Businessの音声通話やビデオ通話を動かす話をしたいと思います。
    前回は、DaaS/VDI上で音声通話やビデオ通話の通信の流れを紹介し、DaaS/VDI上で音声通話やビデオ通話を実現するには課題があることを紹介しました。今回は、DaaS/VDI上で音声通話やビデオ通話を実現するに技術としてNSSOLが検証したCitrix社のHDX RealTime Optimization Packを中心に解説したいと思います。

    Citrix XenDesktopの HDX RealTime Optimization Pack とは

    HDX RealTime Optimization Pack(以下Optimization Pack)のご紹介をする前に、Citrix社の仮想デスクトップ製品XenDesktop/XenApp上で音声通話やビデオ通話を動かすには、主に3つの方法があります。

    ① Media Over ICA

    Media Over ICAは通常の仮想デスクトップの通信と同様に、仮想デスクトップ同士がメディア通信をする仕組みです。
    前回のコラムで解説したように、仮想デスクトップとクライアント端末との間で多数の通信が発生し、ICA通信の画面の圧縮と展開を繰り返すため遅延が発生しやすく、仮想デスクトップ環境の負荷が上がる傾向になります。

    図1:通信の流れのイメージ図

    通信の流れのイメージ図

    ② Optimization Pack

    Optimization Packのコンポーネントをクライアント端末に入れることで、音声通話やビデオ通話の通信をローカル端末同士で行い、遅延が起こりにくくなります。

    クライアント環境側にインストールするOptimization PackのHDX RealTime Media Engineコンポーネントは、Windows系のOS以外にMacやLinuxにも対応していますが、ThinOSやゼロクライアントと呼ばれる独自OSのクライアント端末では一部の機種を除き利用できません。その他の制限として、Citrix社のXenDesktopライセンスはEnterpriseエディション以上が必要になります。

    図2:通信の流れのイメージ図

    通信の流れのイメージ図

    ③ ローカルアップアクセス

    ローカルアップアクセスは、仮想デスクトップ上では、音声通話やビデオ通話の処理を行いません。すべてクライアント端末側で処理し、映像などを仮想デスクトップの画面に組み込み、あたかも仮想デスクトップ上で動いているように表示されます。
    ローカルアップアクセスが最も遅延の発生しない仕組みですが、Windows端末のみのサポートとなり、Platinum エディションのライセンスが必要になります。

    図3:通信の流れのイメージ図

    通信の流れのイメージ図

    下記に3つの実現方法の簡単は比較表がこちらです。(表1)
    ご覧のとおり、コンポーネントの入れる場所などが大きく変わるため、途中で実現方法を変えることは非常に難しくなります。そのため、導入前に利用イメージの想定や検証を行うことが重要になってきます。

    表1:3つの実現方式の比較

    利用方法① Media Over ICA② Optimization Pack③ ローカルアップ
    アクセス
    コンポーネント 仮想デスクトップ ・Skype for Business ・Skype for Business
    HDX RealTime Connector
    クライアント端末 ・Citrix Receiver ・Citrix Receiver
    ・HDX RealTime Media Engine
    ・Citrix Receiver
    ・Skype for Business
    音声通話やビデオ通話の通信方式 仮想デスクトップ同士 クライアント端末同士 クライアント端末同士
    その他 Citrix XenDesktop Enterprise・Platinum エディション以上のライセンスが必要 Citrix XenDesktopのPlatinumエディションのライセンスが必要
    性能影響 仮想デスクトップ リソース消費大 リソース消費小 リソース消費小
    接続端末 CPU/NW消費小 CPU/NW消費大 CPU/NW消費大

    端末の性能も影響

    検証で分かったことを少しご紹介したいと思います。1つは端末の性能がかなり影響するということです。Optimization Packを利用した環境で端末を変えて検証すると端末によって音質が大きく変化します。場合によっては使用に耐えられないパターンなども発生します。原因としては端末のマイクやスピーカーの性能、ドライバーとの相性、CPU性能などが考えられます。特にCPUについては、音声や映像処理などを端末側のCPUで処理するため、高性能なCPUが必要になってきます。

    場所にも注意

    また、場所によっても音質が変わります。例えば、同じ条件で東京-東京、沖縄―東京で通話した場合、沖縄-東京だと明らかに音質が低下します。社内ネットワーク環境やWANなど様々な要因があると思いますので、ネットワークも含めた事前調査は必要です。

    導入前はシステム全体の検証が必須条件

    DaaS/VDI上で音声通話やビデオ通話を利用したいニーズは、今後拡大していくと思います。NSSOLの検証で分かったことは導入する際の確認ポイントが多岐にわたるということです。
    DaaS/VDIだけでなく、社内ネットワーク環境やWAN環境の帯域、端末の性能、利用パターン、システム要件(各種製品のバージョン)などの確認も必要です。導入した後に、”動かないシステム”にならないためにも、DaaS/VDI上でのSkype for Businessを導入した経験のあるベンダーと相談することをお勧めします。

    新日鉄住金ソリューションズ株式会社
    ITインフラソリューション事業本部
    マーケティング部 プロフェッショナル
    新堀 徹

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